ぽんこつぼーいタマです。
今回はS&P500のレバレッジETFであるSPXLについて調べてみました。
SPXLとは
正式名称は「Direxion デイリー S&P500 ブル3倍 ETF」です。こちらはS&P500指数の日々の値動きの3倍を目指すETFになります。
レバレッジETFとは?
レバレッジETFにはブル型とベア型の2種類があります。ブル型は変動率が2倍になるのに対して、ベア型は変動率が-2倍になります(SPXLは3倍)。つまり、買いの場合はブル型、売りの場合はベア型ということです。
今回のSPXLはブル型なので、S&P500が上昇すると見込んで投資をすることになります。
同じくS&P500に連動するETFであるVOOは経費率0.03%です。それを考えると少し高いように感じますが、こちらはレバレッジETFなので妥当なところでしょうか。
組入銘柄
Direxionのサイトを見ますと以下のような組入銘柄となっています。
基本的にはS&P500に連動しているため、VOOと似たような構成になります。ハイテク系の比率が高いですね。しかし、ここで注意しなければいけないポイントは、このデータが2020年3月のものだということです。では、現在の組入銘柄をBloombergで確認してみましょう。

全然違う!?!?
短期間で構成銘柄が大きく変わってしまったようです。こういうこともあるんだよというのは認識しておいたほうが良いかもしれません。
パフォーマンス
3ヶ月 | 3年 | 5年 | |
VOO | 11.15% | 11.60% | 10.87% |
SPXL | 6.02% | 12.74% | 16.13% |
公式サイトのデータは2020年3月のものなので、リターンがかなり悪くなっていました。しかし、直近でS&P500は大きく回復しているので、リターンも良くなっています。
この数値を見ると長期保有で大きなリターンが得られたことになりそうです。
こちらは2015年から現在までの比較です。青がSPXL、緑がVOOです。コロナショックの影響で大きく下落していることがわかります。

こちらは36ヶ月の比較です。3倍の値動きをするため、ボラティリティがとても大きいです。ギャンブルっぽさを感じてしまいます。しかし、コロナショック前まではかなりのハイパフォーマンスだったことがわかるため、少ない資金でこれだけのリターンが得られるのはレバレッジETFの魅力と言えそうです。
SPXLのメリット
メリット1.資金効率
少ない資金で大きなリターンが得られるのがSPXLの良さです。3倍の値動きを目指しているということは、同じ元本で3倍の利益が狙えるということになります。
もし、S&P500が上昇すると思うのであれば、SPXLを活用することでより大きなリターンを得ることができるかもしれません。
メリット2.最悪元本を失うだけで済む
レバレッジETFは現物取引が可能なため、元本を超える損失は原則生じません。これが信用取引とは違うところです。
ハイリターンを狙いつつも、損失は元本の範囲内に抑えられます。
SPXLのデメリット
デメリット1.リスクが高い
上記パフォーマンスでも紹介したように、暴落する際はとんでもなく落ちます。とてもリスクの高い商品だと言えそうです。
デメリット2.長期保有で乖離しやすい
レバレッジETFは”日々の値動き”に対して3倍です。長期保有すると少しずつ指数と価格にズレが生じてしまい、リターンが減少する可能性があります。
それでは通常のETFとレバレッジETFを比較してみましょう。まず最初に1,000円分購入し、その後4日間の値動きを確認します。
2日目(10%上昇) | 3日目(20%下落) | 4日目(15%上昇) | |
普通のETF | 1,100円 | 880円 | 1,012円 |
レバレッジETF(3倍) | 1,300円 | 520円 | 754円 |
レバレッジETFは3倍の値動きをするため、2日目は30%、3日目は60%、4日目は45%で動きます。この結果からわかるように、3倍で動いたとしても最終的なリターンが3倍になるわけじゃないということです。
また、上記のようなレンジ相場もレバレッジETFには向きません。1,000円が10%下落すると900円ですが、900円が10%上昇しても990円にしかなりません。このレンジ相場が続くと元本割れしてしまいます。特に倍率がかかっているほど影響が大きくなるでしょう。
デメリット3.取引タイミングが難しい
デメリット2で挙げたように、レバレッジETFは長期投資には向きません。短期で扱う際は売買タイミングが重要になるため、ある程度の技術が求められます。
長期保有ができないわけではありませんが、上記デメリットは考慮する必要がありますね。
まとめ
今回はレバレッジETFであるSPXLについてまとめてみました。
正直に言うと、私はかなり興味が湧いてしまいました(笑)
リスクは高いですが、ポートフォリオの一部に組み込んでみると面白そうです。
※この記事のデータは2020年6月11日時点のものです。