こんにちは、タマです。
レバレッジETFのTECLとSOXLが株式分割することになりました。
株式分割
TECLとSOXLが株式分割を行うようです。
株式分割とは、発行されている株式を決められた株数に分割することです。例えば1株を2株に分割した場合、株数は2倍になりますが株価は半分になるため、株式の価値は変わりません。
TECL:1株を10株に分割
SOXL:1株を15株に分割
権利落ち日が2021年3月2日、新株売却可能日が2021年3月3日です。
この分割によってどちらも数十ドル程度で購入できるようになるので、かなり購入ハードルが低くなります。
株式分割では株式の価値は変わりませんが、購入しやすくなったことで一時的に値上がりする可能性は十分考えられます。ただし、どちらもレバレッジETFなのでそれなりのリスクがあります。
TECLとSOXL
TECLとは
正式名称は「Direxion Technology Bull 3x Shares ETF」です。
テクノロジー・セレクト・セクター指数の値動きの3倍を目指すETFになります。この指数はコンピュータや周辺機器、ソフトウェア、情報技術サービスなどの業種に属する企業から構成されるハイテク銘柄指数です。
なお、同指数に連動するETFとしてはXLKというステート・ストリート社のETFがあるので、理論上はこのETFの日々の値動きの3倍になるはずです。
- 運営元:Direxion社
- 純資産額:19.80億USD
- 配当利回り:0%
- 経費率:0.95%
- 設定年:2008年12月17日
業種別構成比率
業種 | 構成比率 |
Software | 31.11 |
Technology Hardware, Storage & Peripherals | 25.39 |
IT Services | 19.90 |
Semiconductors & Semiconductor Equipment | 18.55 |
Communications Equipment | 2.88 |
Electronic Equipment, Instruments & Components | 2.16 |
※2020年12月31日時点
構成銘柄
銘柄 | 構成比率 |
Apple | 24.27 |
Microsoft | 19.24 |
Visa | 4.24 |
Nvidia | 3.70 |
Mastercard | 3.59 |
PayPal | 3.14 |
Adobe | 2.75 |
Intel | 2.34 |
Salesforce.com | 2.33 |
Cisco | 2.16 |
※2020年12月31日時点
上位10銘柄で全体の7割近くを占めています。特にAppleとMicrosoftの偏りが大きいです。
Direxion:TECL
SOXLとは
正式名称は「Direxion Daily Semiconductor Bull 3x Shares ETF」です。
フィラデルフィア半導体株指数の値動きの3倍を目指すETFになります。こちらは半導体銘柄に特化したレバレッジETFです。
- 運営元:Direxion社
- 純資産額:30.27億USD
- 配当利回り:0.04%
- 経費率:0.95%
- 設定年:2010年11月3日
構成銘柄
銘柄 | 構成比率 |
Broadcom Limited | 8.33 |
Qualcomm | 7.91 |
Intel | 7.87 |
Texas Instruments | 7.77 |
Nvidia | 7.44 |
Micron Technology | 4.48 |
Taiwan Seminductor | 4.29 |
Analog Devices | 4.06 |
Applied Material | 4.00 |
Lam Research | 3.98 |
※2020年12月31日時点
上位10銘柄で約60%を占めています。TECLと比べると上手く分散されているように見えます。
Direxion:SOXL
TECLとSOXLのパフォーマンス
株式分割によってTECLとSOXLの購入単価が下がることで、ポートフォリオに組み込みやすくなります。そこで、これらのレバレッジETFのパフォーマンスを比べてポートフォリオに組み込むべきかどうかを検証したいと思います。
私自身はレバレッジETFのリスクについて上手く解説できないため、今回はTECLとSOXLの過去のパフォーマンスを中心に紹介していきます。投資すべきかどうかは各自で判断してください。
今回は下記5つのETFを用いてパフォーマンスを比較してみたいと思います。
- VOO:S&P500
- XLK:ハイテク
- SMH:半導体
- TECL:ハイテクブル3倍
- SOXL:半導体ブル3倍
検証① 10年間の比較
まず最初の検証は10年間のパフォーマンス比較です。
2011年2月1日から2021年2月1日で比較してみます。

緑:VOO、青:XLK、黄:SMH、黒:TECL、赤:SOXL
銘柄 | Total Return(%) | Volatility(%) | Max Drawdown(%) |
VOO | 253.6 | 17.4 | -34.0 |
XLK | 487.8 | 20.5 | -31.1 |
SMH | 667.9 | 25.4 | -33.6 |
TECL | 3,160.4 | 60.9 | -75.1 |
SOXL | 3,584.0 | 78.7 | -80.4 |
この結果からわかることは次の通りです。
10年間でこれだけのパフォーマンスを発揮するレバレッジETFは魅力的ですが、やはり暴落時の下落幅の大きさには驚いてしまいますね。
これだけ見ると「レバレッジETFすごい!」となってしまいますが、よく見るとXLKやSMHもとても優秀です。S&P500連動ETFにハイテクETFや半導体ETFを組み込んでみる価値は十分ありそうですね。
検証② コロナショック後の比較
次はコロナショックがあった2020年の1年間のパフォーマンス比較です。

緑:VOO、青:XLK、黄:SMH、黒:TECL、赤:SOXL
銘柄 | Total Return(%) | Volatility(%) | Max Drawdown(%) |
VOO | 18.3 | 34.4 | -34.0 |
XLK | 43.6 | 40.2 | -31.1 |
SMH | 55.5 | 44.2 | -33.6 |
TECL | 69.44 | 116.5 | -75.1 |
SOXL | 70.0 | 131.3 | -80.4 |
10年で比較したときよりも暴落後に上昇したときの動きがわかりやすいですね。今回のコロナショックでは大きく下落しましたが、その後大幅な回復を果たしたので最終的なリターンは他のETFよりも優れています。
確かにハイリスクな商品であることには変わりないですが、投資先(ここではハイテクと半導体)の成長が期待できる場合は仮に暴落してもその後の回復によって大きなリターンを得ることができるかもしれません。
検証③ 追加投資ありの比較
ここまでの検証では初期投資のみの比較だったので、次は毎月一定額を追加投資する場合の比較を行います。
先ほどまで使っていたツールとは別のツールを使うので、再度初期投資のみの比較を示します。
初期投資のみ
- 検証銘柄:VOO、TECL、SOXL
- 検証期間:2011年2月〜2021年2月
- 初期投資額:$10,000
- リバランス:なし
- 配当金・分配金:再投資

青:VOO、赤:TECL、黄:SOXL
銘柄 | 初期投資額 | 最終投資残高 | 年平均成長率 | 標準偏差 | 最高パフォーマンス(1年) | 最低パフォーマンス(1年) | 最大ドローダウン | シャープレシオ | ソルティノレシオ |
VOO | $10,000 | $35,330 | 13.45% | 13.51% | 32.39% | -4.50% | -19.58% | 0.96 | 1.57 |
TECL | $10,000 | $318,887 | 41.37% | 51.04% | 185.57% | -26.73% | -56.62% | 0.93 | 1.61 |
SOXL | $10,000 | $353,310 | 42.83% | 66.17% | 231.85% | -57.00% | -65.83% | 0.87 | 1.51 |
追加投資あり
- 検証銘柄:VOO、TECL、SOXL
- 検証期間:2011年2月〜2021年2月
- 初期投資額:$10,000
- 追加投資:$1000/月
- インフレ調整:あり
- リバランス:なし
- 配当金・分配金:再投資

青:VOO、赤:TECL、黄:SOXL
銘柄 | 初期投資額 | 最終投資残高 | 年平均成長率 | 標準偏差 | 最高パフォーマンス(1年) | 最低パフォーマンス(1年) | 最大ドローダウン | シャープレシオ | ソルティノレシオ |
VOO | $10,000 | $304,333 | 40.71% | 13.45% | 32.39% | -4.50% | -19.58% | 0.96 | 1.57 |
TECL | $10,000 | $2,076,991 | 70.51% | 41.37% | 185.57% | -26.73% | -56.62% | 0.93 | 1.61 |
SOXL | $10,000 | $3,427,757 | 79.27% | 42.83% | 231.85% | -57.00% | -65.83% | 0.87 | 1.51 |
レバレッジETFの年平均成長率がとんでもない数字になっていますね。
レバレッジETFは長期保有には向かないですが、それでもこれだけのハイパフォーマンスならポートフォリオの一部に組み込んで長期保有するのも面白そうです。仮に今後も同じようなパフォーマンスが叩き出せるとしたら、かなり早い段階でセミリタイア達成できそうです。
レバレッジETFに集中投資するのはかなり危険なのでおすすめできませんが、ハイテクセクターや半導体セクターはこれからも大幅な成長が期待できる注目分野なので、その分野にレバレッジをかけて投資をするのはそこまで悪い選択肢ではないのかなと感じています。
まとめ
- TECLとSOXLが株式分割
- レバレッジETFはハイリスクハイリターン
- TECLとSOXLの投資先セクターは今後も期待できる
最終的には自分のリスク許容度と相談になりますが、ハイテクセクターや半導体セクターが今後伸びると考えている方は、レバレッジETFの活用を検討してみても良いかもしれません。