こんにちは、タマです。
今回は過去のデータを使ってポートフォリオの検証ができるPortfolio Visualizerを紹介します。
ポートフォリオの検証とは
資産運用における運用の成果は資産配分で大半が決まると言われています。
しかし、自分のポートフォリオがどれだけの暴落に耐えられるか、またはどれだけのリターンが期待できるかは実際にそのときにならないとわからないですよね。
それを過去のデータをもとにシミュレーションするのがポートフォリオの検証です。いわゆるバックテストと呼ばれています。
自分が考える戦略や投資モデルが過去にさかのぼってどのくらい成功するのかを確認するということですね。
Portfolio Visualizerとは
Portfolio Visualizerはバックテストを行うことができるツールです。
一部有料機能がありますが、下記で紹介するバックテストは無料で使えます。
バックテストツール
Portfolio Visualizerではバックテストとして2種類のツールが用意されています。
- Backtest Portfolio Asset Class Allocation
このツールは「株と債権を半分ずつ」「株+金+債権」といったように、具体的な銘柄ではなく、資産クラスで資産配分を検証するツールです。 - Backtest Portfolio Asset Allocation
こちらは具体的な銘柄を指定して資産配分を検証するツールです。「Appleを40%、Googleを30%、Amazonを30%」といったように細かく指定できます。
使い方としては、まずは1つ目のツールでアセットアロケーションを検証・決定し、次に2つ目のツールで具体的な銘柄を組み込んでポートフォリオを検証するという流れです。
※Backtest Portfolio Asset Class Allocationはこちら
※Backtest Portfolio Asset Allocationはこちら
使い方
今回はポートフォリオの検証ということで、Backtest Portfolio Asset Allocationの使い方について解説します。
設定項目
まずは自分がやりたいバックテストになるようにいくつか設定しましょう。

項目 | 設定 |
Time Period | 前年比/前月比 Year-to-Year:前年比 Month-to-Month:前月比 |
Start Year | 検証開始年 |
End Year | 検証終了年 |
Include YTD | 今月のデータを含めるか |
Initial Amount | 初期投資額 |
Cashflows | 初期投資後の積立・取り崩し None:積立・取り崩しなし Contribute fixed Amount:定額追加投資 Withdraw fixed Amount:定額取り崩し Withdraw fixed Percentage:%取り崩し ※各項目選択後、金額や周期、インフレも設定できます |
Rebalancing | リバランスを実行する頻度 No rebalancing:リバランスなし Rebalancing annually:1年に1回 Rebalancing semi-annually:半年に1回 Rebalancing quarterly:四半期に1回 Rebalancing monthly:月に1回 Rebalancing bands:標準偏差の幅からリバランス |
Display Income | 配当金の表示 |
Benchmark | 比較したい指標 |
Portfolio Names | ポートフォリオ名をカスタマイズ |
最低限、検証期間と初期投資金額さえ入力すればデフォルトでもそれなりの結果が出力されます。
検証デモ
今回は下記のように設定し、検証してみました。

初期投資額が1万ドルで毎月500ドルずつ追加投資したときのバックテストです。
投資対象は3種類用意し、QQQ(100%)、QQQ(50%)とVTI(50%)、VTI(100%)で検証します。なお、比較対象はSPYにしています。
検証結果
検証結果はこのようになりました。


少し見づらいとは思いますが、QQQ(100%)が最もリターンが大きく、2番手がQQQ(50%)とVTI(50%)の組み合わせとなりました。当然ながらVTIとSPYの中身はほとんど同じなのでVTI(100%)とSPYのチャートは重なって見えます。
表には左から順に「ポートフォリオ・初期投資額・最終投資残高・年平均収益・標準偏差・最高パフォーマンス(1年)・最低パフォーマンス(1年)・最大ドローダウン・シャープレシオ・ソルティノレシオ・相関係数」が表示されており、各ポートフォリオのパフォーマンスが細かくチェックできます。
他にもタブを切り替えることで年次リターンや月次リターンを確認できたり、含み損がどれだけ大きくなるのかを見ることもできます。
Portfolio Visualizerの欠点
ここまででPortfolio Visualizerは非常に便利なツールであることがわかったと思います。
しかしこのツールには欠点があります。
それはバックテストの期間は最新銘柄の上場日・設定日が基準となるところです。
これについてはしょうがないことではありますが、ポートフォリオに最近上場された銘柄を追加した場合、その上場日が検証開始日となるため過去にさかのぼって検証することが難しくなります。
ETFについても同様で、最近設定されたばかりのETFは検証できる期間が短くなります。
※先ほどの検証デモの結果も同様に、設定では1985年を検証開始日としていましたが、実際の出力結果はVTIの設定日である2001年が検証開始日になっていました。
なので、新しい銘柄を入れて検証したい場合はそれに類似した古めの銘柄に置き換えて検証する必要があります。
まとめ
最新銘柄の検証が難しいですが、それでもPortfolio Visualizerは非常に便利なツールであることがわかりました。
このツールを使って最強のポートフォリオを組みましょう!