こんにちは、タマです。
今回はSKEW指数が170を超えたということで、SKEW指数と今後の動きについて分析してみました。
SKEW指数とは
SKEW指数はCBOEが算出する市場の歪みを数値化した指数です。
S&P500を対象とするオプション取引でコール(買う権利)に対するプット(売る権利)の需要の強さを表しています。
これは発生する可能性は低いけど発生すると大きな損失をもたらすリスクを示しているので、投資用語のブラックスワンと合わせてブラックスワン指数と呼ばれることもあります。
SKEW指数はコールに対するプットの需要の強さを表しているわけですが、オプションはリスクヘッジに使われることが多いためSKEW指数が100を下回ることはありません。
しかし、その数値が140を超えてくるとVIX指数が上昇する傾向にあり、相場にクラッシュするリスクが高まってきます。
実際に過去にはITバブルの崩壊やリーマンショックの際にそのように動いています。
SKEW指数が170を超えた!
そんなSKEW指数が170を超えました。

過去の数値を見ても170がいかに高い水準なのか明らかですね。
これは過去最高水準です。
VIX指数とは
SKEW指数と合わせて確認したい数値がVIX指数です。SKEW指数よりもVIX指数のほうが知っている方が多いかと思います。
VIX指数は「Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)」の略語で、投資家が株価の先行きをどの程度不安に感じているかを示したものです。別名「恐怖指数」と呼ばれます。
VIX指数は通常10〜20の範囲内で動くとされており、30を超えてくると危険領域となります。

こちらはVIX指数の推移です。
基本的には20以下で推移していますが、何らかのショックが起こる際は急激に上昇しています。
- アメリカ同時多発テロ(2001年9月):49.35
- リーマンショック(2008年10月):89.53
- 中国景気減速懸念(2015年8月):53.29
- 米国景気悪化懸念(2018年2月):50.30
- コロナショック(2020年3月):85.47
6月27日現在のVIX指数は15.61なので安全圏にいると考えられます。
SKEW指数とVIX指数の関係
ではSKEW指数とVIX指数の関係について見ていきます。
下図は2019年6月27日から現在までのSKEW指数とVIX指数のチャートです。
※データはYahoo!Financeから取ってきました。

青がVIX指数で赤がSKEW指数です。
これを見るとSKEW指数が下落するとVIX指数が上昇していることがわかりますね。
なぜこのようになるかというと、SKEW指数は将来的な相場変動を織り込んでいるため、VIX指数が上昇するとき(相場に大きな変動があったとき)には下がるのです。
したがって、2019年末にSKEW指数が上昇した際はコロナショックに先行して市場が相場変動に備えていたということになります。
そんなSKEW指数が最高値を更新しているわけですから、市場が何らかのリスクに備えていると考えたほうが良さそうですよね。
このSKEW指数に遅れてVIX指数が上昇してくるという傾向を考えると、今落ち着いているVIX指数も上昇してくる可能性があると考えられます。

こちらは2000年6月27日から現在までのVIX指数とSPY(S&P500)のチャートです。
長期間のチャートなので下落したときの影響がわかりづらいですが、VIX指数が上昇したタイミングではS&P500は下落しています。
「SKEW指数上昇→VIX指数上昇(SKEW指数下落)→S&P500下落」という関係が成り立つのであれば、最高値更新中のS&P500も安心できないかもしれません。
考えられる下落シナリオ
では市場が何に恐れているのか考えてみたいと思います。
想定外の指標結果
7月も雇用統計やFOMCがあります。
どれも市場予想通りであれば問題なく通過していくと思いますが、想定外の結果や発言等があった場合には急落のリスクがあります。
皆が大丈夫だろう、大丈夫だろうと思っているときの想定外は影響がとても大きいため注意が必要です。
決算大ゴケ
7月はGAFAMの決算が控えています。
基本的には市場予想を上回るとても素晴らしい数値を叩き出してくれると思いますが、仮にそうならなかった場合は下落するリスクがあります。
特にGAFAMは各指数に与える影響も大きい(特にNASDAQ)のでGAFAM決算は要注目です。
ジャクソンホール会議
8月にジャクソンホール会議と呼ばれる世界各国の金融政策会議が行われます。
ここではテーパリングについて議論がなされると予想されていますが、各指標の結果によってはテーパリングの実施が想定していたよりも早まる可能性があります。
また、8月9月は例年相場が弱い時期なので、そこに重なると大きな暴落を招く危険性もあります。

今から大きなポジションを取るのは控えておいたほうが良さそうです。
暴落に備えよ
最近は各株式指数が最高値を更新しており、個別株やETFをたくさん買い込んでいる投資家さんが多いように感じられます。
「長期投資だから目先の下落は誤差!」
なんて言葉も聞こえてきますが、目先の下落が誤差であれば少し待つのも誤差ではないでしょうか。
SKEW指数の上昇やジャクソンホール会議など、今後どうなるのかわからないのであれば『何もしない』というのも有効な手段ではないかと思っています。
まとめ
今回はSKEW指数とVIX指数、今後の下落リスクについて分析しました。
もっと細かく調べたいところではありますが、私もつい最近知った指数なので逆に私に教えてください笑
この先どうなるのかわかりませんが私はキャッシュポジション多めにして保有株には逆指値を入れておこうと思います。
『暴落に備えよ!!』