こんにちは、タマです。
投資をしていると「1月は株価が上がりやすい」「2月は下がりやすい」なんて話を聞くことがあるかと思います。
確かにそういった傾向があるのかもしれませんが、実際のところどの程度のものなのかイマイチわかりませんよね。
そこで、今回は1950年〜2020年までの過去71年間のデータを使って、S&P500の月次パフォーマンスを調べてみました。
S&P500の月次パフォーマンス
1950年〜2020年までの月次のパフォーマンスは次のとおりです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
up | 43 | 40 | 44 | 50 | 42 | 37 | 41 | 39 | 32 | 43 | 48 | 53 |
down | 28 | 31 | 27 | 21 | 29 | 34 | 30 | 32 | 39 | 28 | 23 | 18 |
平均リターン | 0.97 | -0.12 | 0.85 | 1.56 | 0.17 | 0.06 | 0.99 | -0.16 | -0.62 | 0.62 | 1.53 | 1.39 |

upが上昇した年の回数でdownが下落した回数を表しています。
上記結果を見ると上昇した確率が6割以上の月は「1月、3月、4月、10月、11月、12月」ということがわかりました。

こちらは過去71年間の平均月次リターンです。
この結果から3〜4月、10〜1月の相場は比較的強いことがわかりました。
特に直前の2月、9月が下落しやすくリターンも悪いため、そのときに仕込むことができればかなりのリターンが期待できそうです。
このデータをどれだけ信用するかは微妙なところではありますが、こうした傾向がわかると今後の戦略も考えやすくなりますよね。
月別の下落ランキング
1950年〜2020年の間の各月の下落率をランキングにしてみました。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
1位 | -8.54 | -10.69 | -13.10 | -9.05 | -8.6 | -8.55 | -7.90 | -14.58 | -11.93 | -21.76 | -11.39 | -10.16 |
2位 | -7.65 | -9.23 | -10.18 | -6.20 | -8.34 | -8.18 | -7.78 | -9.43 | -11.00 | -16.79 | -8.51 | -6.03 |
3位 | -7.18 | -8.70 | -6.42 | -6.14 | -6.80 | -7.25 | -6.77 | -9.03 | -9.56 | -9.16 | -8.01 | -4.16 |
4位 | -6.88 | -5.59 | -4.58 | -4.08 | -6.26 | -5.75 | -6.02 | -7.66 | -8.54 | -7.33 | -7.48 | -3.39 |
5位 | -6.15 | -4.74 | -4.26 | -3.91 | -6.15 | -5.56 | -5.80 | -6.41 | -8.17 | -6.75 | -5.32 | -3.31 |
その年によってパフォーマンスは様々ですが、やはり12月の強さは異常ですね。勝率が高くてかつ下落幅が小さいというまさにフルインベストメントに最適な月だということがわかります笑
また、3月の下落率1位である-13.10%は2020年のコロナショックのときです。全銘柄が綺麗に真っ赤になっていたので、皆さんもよく覚えているかと思います。2020年3月以降は大幅な回復を見せ、最終的な1年間のリターンは+16.26%になりました。
確かに月ごとに上がりやすい・下がりやすいという傾向はあるかもしれませんが、短期的な目線で売買すべきかはよく考えないといけませんね。
Sell in Mayを検証
皆さんは「Sell in May」という言葉を聞いたことがありますか?
これだけを見ると「5月に売れ」という意味になりますが、実際は「Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.」と「Sell in May」の後に続きがあります。
これは「5月に売ってLeger day(9月第2土曜日)まで戻ってくるな」という意味です。
ということで、この格言を検証してみたいと思います。
本当にSell in Mayなの?
格言では5月に売って9月中旬に戻ってくるのですからその間のパフォーマンスが良くないということになります。具体的には6月から9月の4ヶ月間のパフォーマンスです。
したがって、平均月次リターンを使って4ヶ月間の累積リターンを計算し、実際に5月に売って9月中旬に戻ってくるべきなのか検証します。

この表は4ヶ月目の累積リターンがどの程度なのかを表しています。
リターンが一番大きいのは10月に買って1月に売った場合です。
確かにこの間は平均リターンが高いので納得です。
そして一番リターンが低いのは6月に買って9月に売った場合です。
これで「Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.」という格言は正しいことがわかりました。
1年のうち最もリターンが期待できない間は相場にいなくて良いというわけです。そして、パフォーマンスが優れない9月中に戻ってきて、年末に向けてしっかりと仕込んでおくのが良さそうです。
まとめ
- 1月、3月、4月、10月、11月、12月は上がりやすい
- 上がりやすい月でも大暴落するときがある
- 「Sell in May」は正しい
これでS&P500の傾向が少しわかったような気がします。
もちろんこれは過去のデータなので今後これ通りに動くわけではありません。また、あくまでもS&P500の傾向なので全セクターが同じように動くとは限りませんので注意してください。
しかし、こうした傾向を知っていれば今後役立つときがくるかもしれません。今年の年末も楽しみですね。

※参考データはこちら