こんにちは、タマです。
今回はレバレッジを活用した積立投資 ツミレバを紹介します。
ツミレバとは
ツミレバとは、『積立投資×レバレッジ』のことで、本来短期投資向けのレバレッジ商品を長期の積立投資に活用した運用手法のことです。

レバレッジ2倍の商品を例に考えてみます。
手元資金が3万円しかない場合、通常であれば3万円分の株式しか購入することができません。
このとき、3万円の資金でレバレッジ2倍の商品を購入したとします。そうすると2倍のレバレッジがかかっているので実際の取引額は6万円になります。
仮にその商品が20%上昇したとしましょう。
レバレッジなしの場合は3万円の20%なので6,000円の利益になります。一方、レバレッジありの場合は6万円の20%なので12,000円の利益になります。
したがって、レバレッジというのは少ない資金で大きな金額を動かすことができ、これによって得られるリターンも大きくすることができるのです。
通常、レバレッジというのは長期投資には向きませんが、長期的に値上がりが期待できる銘柄に投資することができれば、効率良く資産を増やすことができます。
レバレッジのメリット・デメリット
次にレバレッジ取引のメリット・デメリットについて見ていきます。
レバレッジ取引のメリット
- 資金効率の良さ
- 上昇相場に強い
まず、レバレッジ取引のメリットは資金効率の良さです。
先ほどの触れたように、レバレッジを活用することで手元資金よりも大きな金額を扱うことができます。
仮に年率5%で値上がりが期待できる銘柄があった場合、当然ながら投資額が増えるほど得られる利益も大きくなります。
また、レバレッジは上昇相場にとても強いです。

基準日 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | |
対象指数 | 100 | 105 | 110 | 116 | 122 |
レバレッジ2倍 | 100 | 110 | 121 | 133 | 146 |
騰落率 | 0% | +5% | +5% | +5% | +5% |
上記のように毎日5%ずつ上昇していく上昇相場を考えてみます。
レバレッジなしの場合は前日の+5%で上昇していきますが、レバレッジありの場合は前日の+10%で上昇するため、4日目の基準価額が大きくなります。
これが長期的に続くと複利効果が合わさってさらに資産を大きく増やすことができます。
レバレッジ取引のデメリット
- 横ばい相場、下落相場に弱い
- 手数料が高い
レバレッジ取引のデメリットはメリットの逆です。
レバレッジはマイナス方向の動きにもレバレッジがかかるため、下落相場では資産が大きく減っていきます。また、横ばい相場にも弱いです。

基準日 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | |
対象指数 | 100 | 105 | 95 | 85 | 102 |
レバレッジ2倍 | 100 | 110 | 88 | 70 | 99 |
騰落率 | 0% | +5% | -10% | -10% | +20% |
上記は横ばい相場のときの対象指数とレバレッジを2倍かけたときの値動きです。
上昇、下落、下落、上昇を繰り返すような相場です。
4日目の基準価額を比較すると、対象指数は基準日よりわずかに増加していますが、レバレッジ2倍は基準日の価格に達していません。
もし同じような相場が続く場合、この差がさらに開いていくことでしょう。
レバレッジはあくまでも「日々の値動きの○倍」になることを目指したものなので、必ずしも対象指数の2倍のパフォーマンスになるわけではないのです。
また、レバレッジ商品は手数料が割高な傾向があるため、パフォーマンスが優れないと資産の減少&割高な手数料というダブルパンチを食らってしまいます。
ツミレバの有効性
ここまででツミレバとは何か、レバレッジ取引のメリット・デメリットについてお話しました。
では、ここからはレバレッジを長期の積立投資に利用することを考えたいと思います。
毎月3万円の積立投資シミュレーション(過去20年)
下図は2000年10月末〜2020年10月末の間に各指数に毎月3万円積立投資した場合のパフォーマンスです。(Bloombergより)
- NASDAQ100
- MSCIコクサイ
- TOPIX
- S&P500
- レバレッジNASDAQ100(2倍)
- レバレッジS&P500(2倍)

投資元本720万円に対して、レバレッジNASDAQ100は13.1倍の9,407万円、レバレッジS&P500は3.7倍の2,691万円と、レバレッジなしの各指数を大きくアウトパフォームしています。
つまり、長期的な値上がりが期待できる銘柄であれば、レバレッジの活用が非常に効果的だということです。
今後100年でダウ平均は100万ドルになる
「NYダウ平均が100年後には100万ドルを超える」
これは私が言った言葉ではなく、投資の神様ウォーレン・バフェットが2017年9月に発言したものです。
このときのNYダウ平均は2万3,000ドルほどでしたが、現在(2021年4月17日)は3万4,200ドルと大きく上昇しています。
100年後に100万ドルと聞くと非現実的だと思われるかもしれませんが、投資には複利効果があるので今から年率5%で上昇した場合は約70年で100万ドルに到達します。
当然ながらパフォーマンスが良ければより早く到達します。
NYダウ平均が100万ドルに到達することはすごいことですが、ここで重要なのは100万ドルに到達することではなく、長期的に見たときに100万ドル到達に向けて上昇していく指数だということです。これはNYダウ平均に限った話ではなく、S&P500なども長期的に上昇していく指数だと考えられています。
つまり、ウォーレン・バフェットも認める「長期的に成長していく資産にツミレバすることで、通常よりも高いパフォーマンスを叩き出せるのではないか」というのがツミレバの考え方であり、魅力なのです。
ツミレバにおすすめの商品
レバレッジをかけることのできる商品はたくさんありますが、今回は投資信託で簡単に積立投資ができる商品を紹介します。
レバレッジETFについて興味のある方はこちらの記事も参考にしてください。

4つの投資信託を紹介しますが、どれも100円から積立投資をすることができます。
iFreeレバレッジNASDAQ100
iFreeレバレッジNASDAQ100は、日々の値動きがNASDAQ100指数の2倍になることを目指した商品です。
NASDAQ100にはAppleやMicrosoft、Amazon、Google、Facebook、Teslaといったように世界を代表する超一流企業が組み入れられた指数です。
今後も長期的に値上がりが期待できる指数だと思います。
ちなみに、レバレッジなしはiFreeNEXT NASDAQ100インデックスという商品です。
iFreeレバレッジ S&P500
iFreeレバレッジ S&P500は、日々の値動きがS&P500指数の2倍になることを目指した商品です。
S&P500は米国を代表する超王道指数で、過去100年以上右肩上がりで成長してきました。
過去の実績では年率7%程度なので今後も同じように成長すると考えるのであれば、このS&P500に2倍のレバレッジをかけて長期投資するのは効果的かもしれません。
S&P500について過去71年分のデータを使って分析した記事があります。良ければこちらも参考にどうぞ。

レバレッジなしはiFree S&P500インデックスという商品です。
iFreeレバレッジ FANG+
iFreeレバレッジ FANG+は、日々の値動きがNYSE FANG+指数の2倍になることを目指した商品です。
ここでの「FANG」とは、Facebook、Amazon、Netflix、Googleのそれぞれの頭文字をつなげたものです。
そして「FANG+」はFANGをベースに他のテクノロジー企業も合わせた指数になります。
具体的にはAppleやTwitter、Tesla、Alibabaなどが含まれています。
FANG+指数は他の指数を圧倒するほどの驚異的なパフォーマンスを叩き出しているので、レバレッジを活用した長期投資にも向いているかもしれません。
レバレッジなしはiFreeNEXT FANG+インデックスという商品です。
iFreeレバレッジNASDAQ 次世代50
iFreeレバレッジNASDAQ 次世代50は、日々の値動きがNASDAQ Q-50指数の2倍になることを目指した商品です。
NASDAQ Q-50指数というのは、将来的にNASDAQ100に組み入れが見込まれる企業で構成されているため、NASDAQ100指数ではカバーできないグロース株に投資することができます。
具体的には、ROKU、CloudStrike、TradeDesk、Etsy、AstraZenecaなど、ここ最近注目を集めている成長企業が含まれています。
レバレッジなしはiFreeNEXT NASDAQ次世代50という商品です。
NASDAQ100とNASDAQ Q-50のパフォーマンスは下図のようになっています。


どちらもS&P500を上回るパフォーマンスを叩き出しています。
まとめ
今回は積立投資×レバレッジということでツミレバを紹介しました。
レバレッジはリスクの高い運用手法ですが、上手く活用すれば大きなリターンが得られる可能性もあるため、興味のある方はぜひ調べてみてください。