ぽんこつぼーいタマです。
今回は人気がある米国ETFについてまとめてみました。
VTとVTI
VTとVTIは世界全体に投資するか、米国全体に投資するかの違いです。
それぞれの違いを細かく見てみましょう。
VT
正式名称は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」です。これ1本で新興国を含む世界47カ国の株式に投資ができます。世界経済全体が成長すると考えるのであれば、これを持っておくだけで十分な感じがします。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
Microsoft Corp. | 2.64800 % |
Apple Inc. | 2.32800 % |
Amazon.com Inc. | 1.81000 % |
Facebook Inc. Class A | 0.88400 % |
Alphabet Inc. Class C | 0.82600 % |
Johnson & Johnson | 0.77300 % |
Alibaba Group Holding Ltd. ADR | 0.75800 % |
Alphabet Inc. Class A | 0.71900 % |
Nestle SA | 0.65500 % |
Tencent Holdings Ltd. | 0.62500 % |
誰もが知っているような銘柄がずらりと並んでいます。構成比率が一番高いものでも約2.5%なので、非常に分散されていることがわかります。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
金融 | 19.4% |
テクノロジー | 18.7% |
資本財 | 12.8% |
ヘルスケア | 12.6% |
消費サービス | 11.9% |
消費財 | 10.9% |
素材 | 3.9% |
石油・ガス | 3.6% |
公益 | 3.5% |
電気通信 | 2.7% |
ある程度分散されていますが、多少の偏りはありますね。
VTは全世界に分散されているとしていますが、実際は北米エリアだけで約60%を占めるため、米国一本よりは分散されている感じです。今後の世界人口の増加によって新興国市場も伸びる可能性があるため、米国以外の株式もまとめて保有できるのはメリットとして考えられそうです。
※バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
※2020/3/31データ
VTI
VT同様にバンガード社が運営するインデックスファンドです。正式名称は「バンガード・トータル・ストックETF」です。米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%に投資しています。
つまり、米国株式全体に投資をするというイメージですね。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
Microsoft Corp. | 4.78700 % |
Apple Inc. | 4.04600 % |
Amazon.com Inc. | 3.27000 % |
Facebook Inc. | 1.59700 % |
Alphabet Inc. Class A | 1.38600 % |
Berkshire Hathaway Inc. | 1.38100 % |
Johnson & Johnson | 1.37300 % |
Alphabet Inc. Class C | 1.35100 % |
Visa Inc. | 1.09800 % |
Procter & Gamble Co. | 1.09200 % |
VTと同じく有名企業がずらりです。構成比率はVTよりも高いですね。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
テクノロジー | 24.4% |
金融 | 17.4% |
ヘルスケア | 14.7% |
消費サービス | 13.5% |
資本財 | 12.0% |
消費財 | 8.1% |
公益 | 3.5% |
石油・ガス | 2.5% |
電気通信 | 2.0% |
素材 | 1.9% |
「テクノロジー」と「金融」が大きな割合を占めていますが、それ外にも分散されていることがわかります。
今後も「米国市場が世界で一番だ」と考えるのであれば、非常におすすめだと言えそうです。過去のデータを見ても米国市場のパフォーマンスは優れているため、高いリターンが期待できるかもしれません。
※バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
※2020/3/31データ
VTとVTIの比較
VTとVTIのチャートを比較してみます。
緑:VTI、青:VT、期間:10年
チャートを見るとわかるように、最近ではVTIがVTを大きく引き離していることがわかります。
あくまでも過去のデータだけで判断すると、米国のみの投資が一番良いかもしれません。しかし、今後はどうなるかわからないため、全世界への投資も有効的だと考えられます。
SPYDとHDVとVYM
これらは高配当ETFと呼ばれるものです。
それぞれの違いを見てみましょう。
SPYD
正式名称は「SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式ETF」です。S&P500のうち、高配当株上位80銘柄に投資しています。とにかく高配当株にこだわったETFと言えそうです。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
Gilead Sciences Inc. | 2.56% |
General Mills Inc. | 2.27% |
Digital Realty Trust Inc. | 2.26% |
Crown Castle International Corp | 2.14% |
AbbVie Inc. | 2.11% |
Cardinal Health Inc. | 1.98% |
Kraft Heinz Company | 1.93% |
Pfizer Inc. | 1.92% |
Dominion Energy Inc | 1.89% |
Verizon Communications Inc. | 1.88% |
聞いたことがない企業が多い気がします。構成比率が一番高い銘柄でも約2.5%ほどなので、比較的分散されているような感じですね。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
不動産 | 18.14% |
金融 | 13.45% |
エネルギー | 12.65% |
生活必需品 | 11.43% |
公益事業 | 11.05% |
ヘルスケア | 8.58% |
素材 | 7.21% |
一般消費財・サービス | 6.30% |
コミュニケーション・サービス | 6.15% |
情報技術 | 5.03% |
「不動産」「金融」「エネルギー」セクターの比率が高いです。高配当な銘柄に偏っているため、不安定なセクターが多いように感じます。
また、SPYDは均等加重平均なので、時価総額の小さな小企業も大企業と同じだけ構成されています。小型株は値動きが激しい銘柄多いため、急落・暴落の影響を受けやすいです。
※ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
※2020/5/11データ
HDV
正式名称は「iシェアーズ コア 米国高配当株ETF」です。モーニングスタ社が算出する「モーニングスター配当フォーカス指数」を連動対象とし、配当水準が比較的高い米国株式と同等の成果をあげることを目指しています。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
EXXON MOBIL CORP | 10.38% |
AT&T INC | 8.12% |
JOHNSON & JOHNSON | 7.32% |
CHEVRON CORP | 7.10% |
VERIZON COMMUNICATIONS INC | 6.77% |
PFIZER INC | 6.44% |
CISCO SYSTEMS INC | 4.49% |
MERCK & CO INC | 3.95% |
PEPSICO INC | 3.57% |
COCA-COLA | 3.48 |
知っている銘柄が多いように感じます。構成比率はだいぶ偏りがあるように思えます。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
エネルギー | 27.58% |
ヘルスケア | 20.72% |
通信 | 15.27% |
生活必需品 | 9.29% |
公益事業 | 8.49% |
情報技術 | 7.66% |
金融 | 5.59% |
資本財・サービス | 3.21% |
一般消費財・サービス | 1.25% |
素材 | 0.58% |
「エネルギー」「ヘルスケア」の比率が非常に大きいです。これらだけでも全体の半分近くを占めています。しかし、SPYDよりは比較的安定した銘柄が多く組み込まれているような感じがします。
※ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ
※2020/5/11データ
VYM
正式名称は「バンガード・米国高配当株式ETF」です。VYMは「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」という米国株式の高配当な約400銘柄から構成されるインデックスのパフォーマンスへの連動を目指しています。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
Johnson & Johnson | 4.27400 % |
JPMorgan Chase & Co. | 3.44400 % |
Procter & Gamble Co. | 3.28500 % |
Intel Corp. | 2.84200 % |
Verizon Communications Inc. | 2.72800 % |
AT&T Inc. | 2.61000 % |
Merck & Co. Inc. | 2.40400 % |
Pfizer Inc. | 2.22700 % |
Coca-Cola Co. | 2.08000 % |
Cisco Systems Inc. | 2.06600 % |
知っている有名企業が多いですね。HDVとは雰囲気が少し違います。構成比率を見ても比較的分散されているように感じます。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
ヘルスケア | 16.2% |
金融 | 15.8% |
消費財 | 15.0% |
テクノロジー | 11.2% |
公益 | 10.0% |
消費サービス | 9.1% |
資本財 | 8.4% |
石油・ガス | 5.5% |
電気通信 | 5.5% |
素材 | 3.3% |
「ヘルスケア」「金融」「消費財」の比率が大きいです。比較的安定してそうなセクターに偏っている気がします。
※バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
※2020/3/31データ
SPYDとHDVとVYMの比較
SPYDとHDVとVYMのチャートを比較してみます。

緑:SPYD、青:HDV、黄:VYM、期間:10年
SPYDは設定日が2015年なので、それに合わせたグラフは以下の通りです。

緑:SPYD、青:HDV、黄:VYM、期間:4年
コロナショックの暴落前まではSPYDとVYMが似たような推移をしていましたが、暴落が起きるとSPYDが大きく下落していることがわかりますね。SPYDの項目でも触れていますが、暴落に弱い不安定な銘柄が多く組み入れられているためだと考えられます。
チャートだけを見るとVYMが一番良さそうですが、配当利回りが物足りない感じがします。どれを選ぶかは好みの問題かもしれません。
VTIとVYMの比較
VTIとVYMのチャートを比較してみます。
緑:VTI、青:VYM、期間:5年
チャートを見るとVTIのほうが優れているように見えますね。パフォーマンスを求める場合がVTIを選ぶ必要がありそうです。
しかし、VYMはあくまでも高配当ETFです。VTIとは目的が異なります。したがって、インカムゲインをもらいつつ、キャピタルゲインを狙うという目的であればVYMは優れていると判断できそうです。
VIG
VIG
正式名称は「バンガード・米国増配株式ETF」です。連続増配銘柄で構成されているETFになります。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
Microsoft Corp. | 5.85500 % |
Walmart Inc. | 4.77400 % |
Procter & Gamble Co. | 4.64200 % |
Visa Inc. Class A | 4.42500 % |
Johnson & Johnson | 3.99200 % |
Comcast Corp. Class A | 3.20500 % |
Abbott Laboratories | 2.86000 % |
McDonald’s Corp. | 2.61200 % |
Costco Wholesale Corp. | 2.59200 % |
Medtronic plc | 2.50000 % |
有名企業が多いですね。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
資本財 | 25.0% |
消費サービス | 20.0% |
ヘルスケア | 12.6% |
消費財 | 11.5% |
金融 | 10.8% |
テクノロジー | 10.1% |
公益 | 6.6% |
素材 | 3.4% |
「資本財」「消費サービス」の比率が大きいです。
連続増配銘柄は景気に影響されづらい成熟したディフェンシブ銘柄が多いです。
※バンガード・米国増配株式ETF(VIG)
※2020/3/31
VIGとVYMの比較
VIGとVYMのチャートを比較してみます。

緑:VIG、青:VYM、期間:10年
以前はVYMのほうが上回っていましたが、直近の5年間ではVIGのほうがパフォーマンスが優れています。
したがって、VIGは増配と値上がり益の両方が期待できるETFと言えそうです。個人的にはポートフォリオの一部に組み込んでバランスを整えるのに利用するのが良さそうだと感じました。
QQQ
QQQ
正式名称は「インベスコQQQ信託シリーズ1」です。ナスダックに上場している企業のうち、時価総額上位100銘柄で構成されるナスダック100指数への連動を目指しています。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
Microsoft Corp | 11.87% |
Apple Inc | 11.52% |
Amazon.com Inc | 10.02% |
Facebook Inc | 4.29% |
Alphabet Inc(GOOGL) | 4.04% |
Alphabet Inc(GOOG) | 4.00% |
Intel Corp | 2.74% |
NVIDIA Corp | 2.10% |
Netflix Inc | 2.06% |
PepsiCo Inc | 1.99% |
ノリノリな企業がたくさん入っている感じですね。しかし、「GAFAM」と呼ばれる企業で全体の40%以上を占めています。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
情報技術 | 47.22% |
通信サービス | 20.44% |
一般消費財 | 16.26% |
ヘルスケア | 7.88% |
生活必需品 | 5.38% |
産業 | 2.09% |
公益 | 0.72% |
「情報技術」が圧倒的な割合を占めています。今まで紹介したETFと比較してキラキラ度が桁違いですね。成長株ファンドとしてこれからもどんどん伸びていきそうです。
※Invesco QQQ
※2020/5/12データ
QQQとVTIの比較
QQQとVTIのチャートを比較してみます。
緑:QQQ、青:VTI、期間:10年
チャートを見るとQQQが圧倒的なパフォーマンスを発揮しています。とにかくハイテクセクターで超ハイパフォーマンスを目指しているような感じです。
コロナショックで暴落しましたが、それでもほとんど戻ってきました。成長株で構成されながら暴落にも強いとなれば、今後もびっくりするようなパフォーマンスを叩き出すかもしれません。
VOO
VOO
正式名称は「バンガード・S&P500 ETF」です。S&P500に連動したインデックスファンドのETFです。
組入上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 構成比率 |
Microsoft Corp. | 5.58100 % |
Apple Inc. | 4.92700 % |
Amazon.com Inc. | 3.76700 % |
Facebook Inc. Class A | 1.86200 % |
Berkshire Hathaway Inc. Class B | 1.61600 % |
Alphabet Inc. Class C | 1.61500 % |
Alphabet Inc. Class A | 1.61200 % |
Johnson & Johnson | 1.60100 % |
Visa Inc. Class A | 1.27900 % |
Procter & Gamble Co. | 1.27300 % |
有名企業が多いですね。
次にセクター別の構成比率です。
セクター | 構成比率 |
情報技術 | 25.5% |
ヘルスケア | 15.4% |
金融 | 10.9% |
通信サービス | 10.7% |
一般消費財 | 9.8% |
資本財 | 8.2% |
生活必需品 | 7.8% |
公益 | 3.6% |
不動産 | 3.0% |
エネルギー | 2.7% |
素材 | 2.4% |
「情報技術」の割合が高いです。それでもある程度は分散されているように感じます。
※バンガード・S&P500 ETF(VOO)
※2020/3/31データ
VOOとVTIの比較
VOOとVTIのチャートを比較してみます。

緑:VOO、青:VTI、期間:10年
10年通してVOOのほうがVTIよりもパフォーマンスが優れているようです。
VTIには小型株も含まれているため、小型株の成長を期待するのであればVTI、そうでないならVOOが良いかもしれません。
まとめ
米国ETFにはそれぞれの個性があるため、自分の目的にあったETFを選んだり、組み合わせることが大切だと思います。