こんにちは、タマです。
株式投資をしていると「目標株価」という言葉を見たりしませんか?
米国株投資では「price target raised(目標株価の引き上げ)」なんてニュースも良く見ますね。
今回はそんな「目標株価」についてまとめました。
目標株価とは
目標株価とは、アナリストが将来の株式の価格を予測した株価ことです。
証券会社などに属するアナリストは、担当するセクター(業種)の銘柄について、投資判断を添えたレポートを顧客向けに発行しています。このレポートは、足元の業績や業界の展望など、さまざまな内容から構成されていますが、同時に現在の株価水準が割安か割高かを判断し、将来の目標株価を掲載することがあります。
SMBC日興証券 目標株価
現在の株価よりも目標株価が高いとき、あるいは目標株価を引き上げる場合は株価の上昇を期待しています。逆に目標株価を引き下げるときは、株価の下落を期待していることになります。
目標株価の算出方法
目標株価を決める要素は、株式の需給や財務状況、業績、業界全体の景況感など多岐にわたります。
しかしこの評価方法はアナリストや金融機関によって様々なので、必ずしも同じ材料で目標株価を算出しているとは限りません。
また、アナリストにもファンダメンタルズを重視する人もいればテクニカル重視のアナリストも存在するため、その目標株価がどんな根拠で算出されたものなのかを確認する必要があります。
アナリストの主観も含まれる
目標株価にはアナリストが独自の分析や経験で評価した主観的要素も含まれています。
当然ながらアナリストの中には分析力に長けた人もいればそうでない人もいるため、同じアナリストといえど、誰に評価されたかによってその評価が持つ意味は大きく変わってきます。
我々投資家としては、できるだけ予想を外さない(的確な分析のできる)優秀なアナリストの評価を確認したいですね。
株価の算出方法
ここまでで目標株価についてざっくり説明しましたが、そもそも株価がどのように求められるのかについて考えてみましょう。
株価 = PER × EPS
株価を求めるシンプルな方法は以下の計算式です。
株価 = PER × EPS
PER(株価収益率):Price Earnings Ratioの略で、株価が1株当たりの純利益(EPS)の何倍まで買われているかを見る数値。現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断する目安に用いられる。
EPS(1株当たりの純利益):Earnings Per Shareの略で、当期純利益を発行済み株式数で割って求める。EPSの数値が高いほどその企業の収益力が高いと判断できる。
したがって、PERとEPSの予測値を求めることができれば、目標株価を算出することができます。
PERの予測
PERは以下の計算式で求めることができます。
PER = 株価 ÷ EPS
このとき、EPSは当期の予想値を用いるのが一般的です。
PERという評価は少し分かりづらいですが、PER10倍というのは「毎年同じ純利益を得られるのであれば、10年で元が取れる」という意味になります。
つまりPER100倍というのは100年分の利益を織り込んでいることになるため、どれだけ割高な数値かよく分かるかと思います。
割高・割安の判断
PERは上記のような特性があるため、一概に「◯◯倍以上であれば割高」と決めることはできません。
当然ながら将来性がある企業はPERが高くなりやすく、40倍や50倍を超えることも多々あります。
PERはあくまでも当期の利益予想に対して何倍まで買われているかを示しているだけなので、PERを予想をするときはその企業の将来の利益がどのようになっていくかをイメージする必要があります。
EPSの予測
EPSは直近の決算発表や来期の予想業績、各機関の公表する予測値などを参考にすることができます。
その他にも過去の売上高や営業利益、EPSを確認し、年々業績を伸ばしているのか、横ばいなのか、あるいは下降気味なのかも判断材料になります。
特にグロース株は売上や純利益の伸びが凄まじいため、アナリスト予想に対して各決算がどの程度上回っているかを調べるのも有効です。
目標株価の活用
目標株価はアナリストが出した予測値に過ぎないため絶対的なものではありません。
よって、次の3つのポイントを意識して見る必要があります。
- 目標株価の仕組みを理解する
- 目標株価の根拠を確認する
- 情報の信憑性や公表されたタイミングを確認する
アナリストが目標株価を引き上げた場合は株価の上昇が期待できますが、その多くが既知の情報に基づいた評価だとしたら株価への影響は弱くなります。また、その後に出た別材料で売られることもあります。
しかし、目標株価は様々な要因によって時間とともに変化する可能性があるので、その評価の根拠や出されたタイミングは我々投資家に新たな気付き(私たちが気づいていない株価の上昇材料など)を与えてくれることもあります。
もし何らかの銘柄に対して自分なりの目標株価を設定している場合は、投資のプロであるアナリストが公表する目標株価の根拠と見比べてみるのも面白いです。
公表された目標株価をそのまま鵜呑みにしたり、自分自身が考えた目標株価だけを貫き通すのではなく、様々な情報ソースをフル活用してより精度を高めていきたいですね。
まとめ
今回は目標株価についてと株価の算出方法についてまとめました。
重要なのはある特定の情報だけを信じ込むのではなく、しっかりと中身を確認し理解した上で投資するということです。
それができていれば自分が想定していたシナリオから外れた時点で撤退すれば良いので、大きなダメージを負うこともなくなるでしょう。
今回の内容が少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。